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見逃してはいけない、入居者の意識の変化

今までは国を筆頭に、建築会社、銀行も、「持家」を推奨してきた感じがします。 「家は資産」「信用を得るには持家」というような神話です。国も新規住宅着工件数は、外交交渉や貿易を有利に進めるためのひとつの指標ですし、銀行にとってみても住宅ローンほど、安全で確実に、長期的に収益をあげることができる商品はありません。

そして、バブルを経て、身近に起こる住宅ローン破綻毎月のローン負担で生活や旅行などを我慢する先輩たちの姿を垣間見るうちに、 「ライフスタイルを充実させたい」 「新築ばかりに移り住みたい」という入居者の意識が芽吹き始めています。

そして、 「金持ち父さん貧乏父さん」の著者で有名なロバート・キヨサキ氏は、 「持家は銀行の資産」と言い切り、大ベストセーラーになりました。これからは賃貸派も増えていくことでしょう。

 

地価の高額な都会ならまだしも、地方で月額10万円も家賃を払うぐらいなら持家を買うのではないか・・・?

持家率の高い地方へいけば行くほど「家賃並で買える一戸建て住宅」という宅地分譲業者の広告や折込チラシをよく目にします。確かに、地価の安い地方では月額10万円を支払うのであれば、現在の金利水準では土地建物で2600万円程度ぐらいならフルローンでも可能です。しかし、持家の場合は買った途端に値段は20%以上下がりますし、毎月の固定資産税などの税金でプラス1万円程度は必要です。さらに維持費や修繕費でプラス1万円程度も必要です。ですから、住宅ローン返済額プラス2万円は負担しなければなりません。さらに、当初の優遇金利が終わるだけならまだしも、金利が上がる懸念のある将来、毎月の支払額が増えていく不安があります。そして、最初は新築であった持家も、どんどん古くなっていくことでしょう。

今までは、社会全体がマイホーム取得熱が高かったので、マイホーム購入の持つデメリットは打ち消されてきた感があります。しかし、最近のマイホーム取得層の考えは変わってきました。彼らは無理して住宅を手に入れて住宅ローンで苦しむよりも、ゆとりのあるライフスタイルに重点を置く傾向が出てきています

持家では、隣の人が気に食わなくてもじっと我慢するしかありませんが、賃貸住宅では引っ越せば終わりです。長期に亘る住宅ローンよりも、毎年家族そろって旅行に行きたいと思っています。少子化で長男と長女の結婚のために、将来、帰る家があるケースも増えています。

賃貸暮らしの最大の利点は、自分のライフスタイルにあわせて自由に住み変える事ができるし、高齢になれば利便性の高い街中に住み替える事もできます。また、物価の安い海外へ移住することもできます。また、子育て世代でも、以前と比べて広いファミリータイプのアパートも出てきているので、子供の成長に合わせて広い物件に住替えていく事も可能です。

このように、自由気ままに人生が送れることももちろんですが、固定資産税などを払う必要はありません し、建物から雨漏りなどしても大家さんか管理会社に電話するだけで修繕費用の負担はありません

持家は家賃補助がなくなる!!

また、家を買うと家賃補助がなくなります。賃貸住宅に住む人の40%は家賃補助があるか会社の社宅かですが、地方では転勤者にも同様の傾向があります。ある大手企業の地方支社の人に聞いた話では、採用県と配属県が同じ場合で月額3万円の家賃補助があるそうです。また、採用県と配属県が違う場合は、その本人負担は3万円になり、10万円の家賃のところに住んでも自らの負担は3万円だそうです。このような手厚い家賃補助も、持家を買った途端に打ち切られます。

住宅ローンの誰も言わない真実

欧米などと違って日本では建物は建て替えを前提に作られています。外国の映画を見ていても、100年200年の建物でもリフォームされて売買されていますが、日本では皆無と言ってよいでしょう。

私の若い頃は「住宅すごろく」なるものがありました。サラリーマンでも3回家を買い換えると大きな家に住めるという意味です。戦後からバブル崩壊の1990年まで、一貫して年14%上がってきた土地神話がその背景にありました。しかし、バブルが崩壊して状況は一変しました。バブル期に家を購入した人達は、土地を高額で掴まされ、高い建築費と高い金利のおかげで、現在、悪循環に陥っています。債務を整理しようにも元本すら減っていない現状では、給与所得のカットも含め、未来に展望が見えなくなっています。全く、悲惨としか言いようがありません。


以上のように、賃貸派が増えている原因は、 「買った途端に価値が下がる持家」「人生を楽しめない住宅ローンを抱えたくない」「住み替えができないので自由気ままに人生を送ることができない」「家賃補助がなくなる」などの理由でしょう。今後も、この傾向はますます顕著になるものと思います。

 

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