「自宅」を売る場合の税金の落とし穴!

不動産関連の税制は複雑です。広く知られている「所得控除」や「税額控除」を受けようとすると、実は要件を満たしていないというケースが多々あります。「本宅を売却する場合の3000万円の特別控除」もそのひとつ。3000万円の控除の効果が大きいだけに、些細な事で否認されれば大変です。まずは実例を挙げて解説してみますので、知っておきましょう。

あるおばあちゃんのお話です。20年ほど前に、長年連れ添ったご主人が亡くなりました。長い間一緒に暮らしてきた一軒家の自宅とふるい賃貸アパートを、そのおばあちゃんは相続しました。その後、2000年ごろになっておばあちゃんに大変な事が起こりました。道路を歩いていて転倒し、大怪我をしたのです。若い頃とは違って、高齢者が一度骨を折ってしまうとなかなか完全には回復しないといいます。そのおばあちゃんも入退院を繰り返していました。そして、訪問介護を受けるために、自宅でなく介護にとって好都合である賃貸アパートで暮らしました。しかし、一向によくならないおばあちゃんは、とうとう自宅の一軒家の売却を決意します。

この場合、現在の税制では「3000万円の特別控除」と「10年超保有の軽減税率」を受け猫とができるはずです。当然受けられるものと思い、確定申告しました。しかし・・・!

 

 

ここで、少し用語の説明をしておきます。

「3000万円の特別控除」とは・・・?

個人が居住用財産を売った時に、譲渡で得た所得(売れた値段?買った値段ー売るための費用)から3000万円を控除する事ができる特例です。

「10年超保有の軽減税率」とは・・・?

不動産の所得税は、短期間の場合は所得税率30%+住民税9%も取られます。しかし、長期間(10年超)保有している場合は、譲渡所得が6000万円以下の部分は所得税率10%+住民税4%6000万円超の部分は所得税率15%+住民税5%に軽減される制度です。

しかし、このおばあちゃんは「3000万円の特別控除」を受けることができませんでした

 その理由とは・・・?

 「住まなくなってから3年後の年末過ぎているので、居住用とは認めない!」。

かわいそうに、このおばあちゃんは「3000万円の特別控除」と「10年超保有の軽減税率」の両方とも受けられませんでした。このおばあちゃんは、自分が相続した賃貸アパートに、一時的に、仕方なしに住んでいたにすぎません。
このおばあちゃんの場合、いったいいくら損したかというと・・・?

1970年に1000万円で、土地と建物を購入。

2007年に5000万円で、土地と建物を売却。

    (※譲渡費用は省きます)

(特別控除を受けれていた場合)

 5000万円?1000万円=4000万円
 (4000万円?3000万円)×(10%+4%)=140万円

(今回の場合)

 5000万円?1000万円=4000万円
 4000万円×(15%+5%)=800万円

差額:800万円?140万円=660万円

なんと!660万円も違うのです。


このようなケースは、たくさんあります。例えば、「旦那さんに介護が必要になった!」「実の母親の看病が必要になった!」などの理由で、持家から一時的に転居し、その後持家を手放すケースです。

では、「居住用の財産」だと税務署が認定するポイントとはなんなのでしょうか?

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ここが大切です。

「住民票」があるから「居住用の財産」であるとは言えません。
「主な生活の拠点であるかどうか?」がポイントです。

ですから、不服に思い、国税不服審判所に訴えた場合、 「電気、ガス、水道の使用料」まで調べられますので注意して下さい

また、高齢になると、入院したり、有料老人ホームに入らなければならないケースも多々あります。このような場合の注意ポイントは、 「自宅を戻れる状態にしてあるかどうか?」がポイントです。ですから、 「終身利用権付き有料老人ホーム」を契約した場合、生活拠点が移ったと判断され、自宅を売却する場合でも「3000万円の特別控除」と「10年超保有の軽減税率」は適用できません。

高齢者自身の方はもちろん、そのような親御さんをお持ちの息子さんや娘さんは、「介護が必要になった」「有料老人ホームに入る」などの理由により、 自宅を売る場合は「主な生活拠点でなくなってから3年以内」と言うことを決して忘れないで下さい


税金がまともに使われているのならともかく、現在のようなデタラメな使われ方をされている以上、このような自己防衛知識を持っておきたいものです。

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